【資本構成 capital structure】
バランスシートの資本と負債の構成をいい、株主資本比率と同義で用いられる用語であるが、株主資本比率は事後的(結果的)な語感を持つのに対し、資本構成は事前的(戦略的)な語感を持つ。理論的には、税金のない世界では資本と負債の比率は、企業の価値にニュートラルであるとされるが、法人税を考慮すると、税引き前で支払うことができるという金利の節税効果により、単純計算では負債の比率を高める企業の価値は高まる。ただし、負債の比率がある水準を超えると、デフォルトリスクの高まりから負債の存在が企業の価値にはマイナスに作用する。理論的にはその限界点において、企業の価値が最大になることから、そこにおける資本と負債の比率が最適資本構成ということになるが、各企業において実際にその水準を特定することは容易ではない。→財務レバレッジ、デット・エクイティ・レシオ、株主資本比率