多面評価とは、上司からだけの評価ではなく、部下や同僚、仕事で関係のある他部門の担当者、更には取引先や顧客による評価といった多方面から人材を評価する制度を指します。
一方向からの評価では被評価者(評価される人材)の一部しか見ることができないため評価が偏る可能性があります。なるべく多くの角度から評価を受け入れることでより公平な評価に近づけることが可能になり、またこのような多角的な評価を通じて評価者(評価する人材)が客観的に自己を振り返り今後の行動改善や育成の一助になります。同時に評価者、被評価者両者にとっても、仕事や仕事上の人的連携について再考するきっかけを与えるというメリットも期待できます。
①経営の視点からのメリット
従来の評価制度のもとでは社員は直属の上司を意識して行動していましたが、これを、組織内部に向けられがちな社員の意識を是正し、マーケットや顧客へ向けることが可能になります。
②人材管理の視点からのメリット
評価の客観性が向上することで管理者は育成や処遇について、より適正な情報が得られることになります。これにより被評価者の能力や適性の程度が明確になり、効果的な人材育成や配置、を実現できると考えられます。また、評価者の管理能力育成にも利用できます。
③社員個人の視点からのメリット
被評価者の業務を取り巻く内外の複数関係者が評価を行うので、評価に対する客観性が高まり納得感を得ることができます。また社員個人の職務に対する意欲向上を図ることができます。
CS(顧客満足度) | Q1 | 顧客(社内外)ニーズの把握と実践 |
Q2 | 仕事の質と成果の追求 | |
コンプライアンス | Q3 | 場当たり的な行動ではなく、言行一致 |
Q4 | 日ごろの行動や意思決定に対する論理上の内省 | |
技術力の向上・蓄積 | Q5 | 自立的なキャリア開発 |
Q6 | 新しい仕事や経験を通した知識、スキルの獲得 | |
生産性・効率の向上 | Q7 | 自組織のあるべき姿を考えた行動 |
Q8 | より良い成果を目指した改善と革新の追及 | |
組織力の発揮 | Q9 | 自らが範となって周囲に示す |
Q10 | 上手な動機付けにより周囲を動かす | |
組織開発 | Q11 | 労務管理(残業・勤怠・安産管理等)の実践 |
Q12 | やりがいと働きがいのある組織作りの向けた施策推進 | |
人材開発 | Q13 | 的確なアドバイスによるメンバーの職務遂行の援助 |
Q14 | メンバーのキャリアを考えた役割設定と教育機会の提供 | |
コミュニケーション | Q15 | 情報発信者としての明解で説得力のある意思疎通 |
Q16 | 傾聴の態度でメンバーのたいような意見を活かす | |
評価 | Q17 | 適切な目標と評価基準の設定 |
Q18 | 公正な評価と結果のフィードバック | |
エンパワーメント | Q19 | メンバーの状況を対応力を踏まえた権限移譲 |
Q20 | メンバーの自立的活動を支える側面支援 | |
リソースマネージメント | Q21 | 自部門の経営資源(人、物、金、情報)の把握・管理 |
Q22 | 全体最適を考えた人、物、金情報の有効活用 | |
パートナーシップ | Q23 | メンバーの協力連携を育む仕事の割り振りと雰囲気作り |
Q24 | 他部門/チームとの支援連携 | |
戦略企画 | Q25 | 部門/チームミッションの明示と効果的な戦略立案 |
Q26 | 戦略遂行に関わる重点項目の実践 | |
意思決定マネジメント | Q27 | 事実に基づく思慮深い意思決定 |
Q28 | 優先順位の明治とタイムリーな決断 | |
リーダーとしての素養 | Q29 | プロフェショナルとしての深い専門的知識と見識 |
Q30 | リーダーとして人々から信頼される存在 |
フィードバックプログラムは自己評価と他社評価の違いを通して、どんなスキルを開発すべきなのかと共に、コミュニケーションスタイルの再確認を行います。
◎多面評価の結果を題材として、マンツーマンコーチングを実施すると、一時的な気づきだけに留まらず、対象者の行動変容を促す大きな効果が得られます。